月次成績-2016年4月

前半は好調でしたが、後半は震災の影響でバランスを崩したところに
4/22(金)に保有していた銀行・金融系のショートポジションの損失が膨らんでしまいました。
逆に4/28(木)には銀行・金融系のショートポジションはなかったため、利益が乗りませんでした。

このような特異日にロングショートポジションが有利に働くかどうかは運の要素が大きいですね。
事故的な損失なのでそれほど気にしてはいませんが、どうも日銀政策とは相性が悪いようです。

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論文紹介(3)

「An Improved Pairs Trading Strategy based on Switching Regime Volatility」
(Marco Bee, Giulio Gatti, 2015/7/27)

2つの商品・株式インデックスのペアトレードに関する論文です。
タイトル的にはレジームスイッチがメインに見えますが、ここで取り上げたのは別の理由からです。

ペアトレード、いわゆる「鞘取り」は、個別銘柄取引では鉄鋼株などでよく行われる手法です。
2つの銘柄の価格の鞘の開き具合、閉じ具合を見て、割安株をロングし割高株をショートします。
鞘取りで重要なことは、当然ですが以下の2点です。

 (1)ペアとなる銘柄をどうやって選定するか
 (2)どのようなスプレッドの水準で仕掛けるか

ここで経験的・感覚的に、

 (1)鉄鋼やメガバンクなどの同業種の2銘柄で相関の高いものを候補として選定する。
 (2)2つの商品(銘柄)の価格の差分にボリンジャーバンドを当てはめて特定の水準で逆張りする。

などの手法が主流となっています。
しかし上記の手法は「相関が高い→鞘を埋める」という因果性があることが前提であり、
当然ながらそのような統計的保証は全くありません。


ヘッジファンドや金融機関では常識として広まっていますが、
ペアトレーディングの銘柄選定には「共和分検定」が使われます。
この手法を用いると、少なくともバックデータから「統計的に鞘を埋める保証」が存在することになり、
すなわち「鞘取り」でなく「統計的アービトラージ」と呼ぶことができます。

この論文では、各商品・株式インデックスペアについて、
①線形回帰有意度、②相関係数、③共和分有意度の3つのフィルタを用いて
ペアトレードした場合の累積リターンが記載されています。

この結果を見ると、③共和分有意度が優れていることが分かります。
共和分検定の有効性が良く分かる論文の1つです。

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なお共和分検定は、2つの銘柄の線形回帰の残差系列に単位根検定(ADF検定やPP検定)を行います。
残差系列が単位根と判断された場合、残差系列には「平均回帰性」が統計的に保証されます。

y(t)=ax(t)+ε(t)において、残差系列のε(t)が「平均回帰性」を持つとき、
当然ですが式を変形させて、y(t)-ax(t)も「平均回帰性」を持つことになります。
y(t)-ax(t)はスプレッドの式そのものであり、
すなわち「鞘が閉じる(平均に回帰する)」ことが統計的に保証されていることになります。

またこのことから分かるように、
2つの変数のスプレッドの計算は、単純に比率を掛けたり足したり引いたりするのでなく、
回帰係数aを用いることで統計的な意味が生まれるのです。


難しそうに聞こえる「共和分検定」ですが、
R言語を使えばデータのインポート後、わずか1行でできてしまいます。

> 共和分検定P値 <- PP.test(lm(data_y~data_x)$residuals)$p.value


・・・少し突っ込みすぎな感じが出てきたので、次週はもう少し軽めの話題にします。

2016/4/28

◆本日の損益
 +21,620円

◆本日のトレード
 豊田通商 +123,500円
 商船三井 ▲115,000円
 他

◆今月の累積損益
 ▲717,270円

2016/4/27

◆本日の損益
 +225,460円

◆本日のトレード
 三菱自動車 +100,000円
 セイノーHD ▲31,900円
 他

◆今月の累積損益
 ▲738,890円

2016/4/26

◆本日の損益
 ▲277,720円

◆本日のトレード
 ほくほくフィナンシャル +40,000円
 三菱自動車 ▲284,200円
 他

◆今月の累積損益
 ▲964,350円

2016/4/25

◆本日の損益
 ▲68,520円

◆本日のトレード
 パーク24 +66,000円
 商船三井 ▲55,000円
 他

◆今月の累積損益
 ▲686,630円

論文紹介(2)

「Variation of the Implied Volatility Function (IVF) and Return Predictability」
(Paul Borochin, Yanhui Zhao, 2016/1/20)

個別株取引では少し珍しいのですが、
インプライドボラティリティ(以下IV)に基づいた月次リターンの予測に関する論文です。

IVはオプション価格から逆算される将来の予測ボラティリティです。
過去の値動きから算出されるヒストリカルボラティリティとは異なり、
現在における投資家のセンチメントがふんだんに織り込まれています。

当然ですが、IVはオプションが存在しないと計算することができません。
個別株のオプションはメジャーな金融商品ではありませんが、
現在東証には216の個別株・ETFのオプションの取り扱いがあります。

この論文では以下の3つのボラティリティスプレッドについて、翌月のリターンの予測力を検証しています。
これらのスプレッドは、投資家のセンチメントを表す代理変数となっています。
各スプレッドの持つ詳細な意味合いは、論文の本文を参照してください。

①O/Aスプレッド:OTMプットのIVとATMコールのIVのスプレッド
②C/Pスプレッド:ATMコールのIVとATMプットのIVのスプレッド
③I/Hスプレッド:ATMコールのIVとヒストリカルボラティリティのスプレッド

※OTM:Out of The Money、ATM:At The Money



IVが計算できる銘柄群について、
これらのスプレッドの標準偏差の大きさでQ1(小)からQ5(大)まで5つのグループに分位します。
グループQ5とグループQ1についてロングショートポートフォリオを組んだとき、
以下のような累積リターンが得られます。

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リターンが安定して伸びていることが分かります(安定しすぎているのが逆に気になりますが)。
リターンの予測力はグループQ5(スプレッド標準偏差の大きいグループ)で顕著となるようです。

前回も述べたように、この手の論文は決定係数やS/Rを記載するだけのものが多いのですが、
このようにファクターリターンが記載されていると、読み手にとってありがたく感じます。

投資家のセンチメントが有用なファクターになりうるという実例の1つでした。


2016/4/22

◆本日の損益
 ▲1,111,070円

◆本日のトレード
 森永乳業 +54,000円
 野村ホールディングス ▲128,500円
 他

◆今月の累積損益
 ▲618,110円

2016/4/21

◆本日の損益
 +21,100円

◆本日のトレード
 昭和シェル石油 +76,800円
 塩野義製薬 ▲64,200円
 他

◆今月の累積損益
 +492,960円

2016/4/20

◆本日の損益
 ▲506,230円

◆本日のトレード
 太陽誘電 +36,000円
 第一生命 ▲124,500円
 他

◆今月の累積損益
 +471,860円