FC2ブログ

2016/6/21

◆本日の損益
 +86,800円

◆本日のトレード
 NOK +84,000円
 テルモ ▲66,000円
 他

◆今月の累積損益
 +681,550円

2016/6/20

◆本日の損益
 ▲10,600円

◆本日のトレード
 不二越 +48,000円
 川崎汽船 ▲54,000円
 他

◆今月の累積損益
 +594,750円

2016/6/17

◆本日の損益
 ▲572,750円

◆本日のトレード
 丸一鋼管 +24,000円
 コロプラ ▲158,400円
 他

◆今月の累積損益
 +605,350円

HFT・アルゴリズム(4)

少し表題から話が逸れますが、東京証券取引所(以下、東証)の取引システムについて紹介しておきます。

東証の現物取引にはアローヘッドと呼ばれるシステムが使われています。
アローヘッドは2010年1月に稼動開始した高速取引システムであり、富士通がシステム開発を担当しています。
2015年9月にシステムがリニューアルされ、高速化・冗長化が進んでいます。

アローヘッド以前の取引システムを紹介してもあまり意味がないので、
ここでは2015年9月のリニューアル内容に焦点を当てながら話を進めます。
以下、アローヘッドのリニューアル内容をまとめた一覧表です。

160616-2.png


これらの内容を見ても、いまいちピンと来ないと思います。
それもその筈で、表中に出てくる「取引参加者」とは個人投資家のことではなく、
東証のネットワークに直接接続できる証券会社や一部のファンドを指しています。
これらの内容のうち、個人投資家に直接関係してくるものは「1-①呼値の適正化」くらいしかありません。
「2信頼性の向上」はフェールセーフやリミッターの機能であり、完全に機関投資家向けのサービスです。
また2-④のダミーシンボルは、アルゴリズムのテスト運用(つまりデバッグ)に使われます。

東証(というかJPX)は寡占状態にあるので国内における競争は不要なのですが、
ある程度水準の高いサービスを提供していないと世界の取引所のトレンドから取り残されてしまい、
外資の流入が少なくなってしまいます。
東証1部の出来高の8割は外国人投資家によるものだということを忘れてはいけません。


さて、表題に関連して注目しておきたいのが「3処理能力の向上」です。
処理時間が半減されていますが、これについても個人投資家は直接の恩恵を受けることができません。
個人投資家は証券会社を通さなければ東証のネットワーク(アローネット)にアクセスできません。
よって個人投資家が処理能力向上の恩恵を受けるためには、証券会社の取引システム
(例えばSBI証券であればHYPER SBI、楽天であればMarket Speedなど)の処理能力向上が必要になります。

どうしても高速化の恩恵を受けたい場合、
1つの手段としてファンドを立ち上げて東証の取引資格を取得するという方法があります。
(こうすればできるよ、というプロセスだけを紹介します。実際に個人が実践するには非現実的です)

東証の取引資格を取得するためには、まず金融商品取引業者でなければなりません。
従って、まずは金融庁に対して金融商品取引業の登録を申請する必要があります。
また取引業の実態として、資本金3億以上、純資産5億以上、業務実績3年以上であり、
直近の数年で黒字経営で収益性が良好であることが求められ、さらに経営体制にも審議が入ります。
これらをクリアし、ネットワークと取引システムの環境を整え、入会金を1億円(!)支払うことで
ようやく「取引参加者」となることができます。


ではこれで高速化の恩恵が受けれるかと言えばそうではありません。
アローヘッドの処理能力を生かすためには、コロケーションサービスを利用することが不可欠です。
コロケーションサービスとは、JPXの敷地内にプログラムをビルドインしたサーバを設置できるサービスです。
このサービスを利用することにより、JPXのネットワークとの物理的距離が極小化され、
情報取得と注文送信時間を極限まで(具体的には数十usec程度まで)短縮することが可能です。

そこまでしなくても、と思うかもしれませんが、信号の伝播速度は光速を超えることはありません。
よって300km離れたところから注文送信すると、注文が届くまでに最低でも1msecの時間が掛かります。
注文応答速度が0.5msecのため、ゼロ・ディスタンスに対して応答時間が3倍劣化することになります。
コロケーションサービスはサーバ1ラック当たりで月額100万程度だそうです。
1億の入会金に対しては小額のため、基本的に設置するものなのかもしれません。


前回の記事で紹介したとおり、日本市場でマーケットメイク型HFTが席巻しているということはありませんが、
それでもイベントに乗じる高速取引ファンドは存在します。
個人投資家はこれらの事情を加味しながら、上手く立ち回る必要があるのです。


2016/6/16

◆本日の損益
 +188,010円

◆本日のトレード
 SUMCO +110,000円
 三浦鉱業 ▲146,400円
 他

◆今月の累積損益
 +1,178,100円

2016/6/15

◆本日の損益
 +208,150円

◆本日のトレード
 関西電力 +75,400円
 日本取引所 ▲101,200円
 他

◆今月の累積損益
 +990,090円

2016/6/14

◆本日の損益
 ▲127,400円

◆本日のトレード
 ジェイテクト +37,400円
 日医工 ▲43,200円
 他

◆今月の累積損益
 +781,940円

2016/6/13

◆本日の損益
 +73,590円

◆本日のトレード
 古河電気工業 +60,000円
 東洋製罐グループ ▲56,400円
 他

◆今月の累積損益
 +909,340円

HFT・アルゴリズム(3)

バーチュのHFT形態の説明に先立って、指値注文と成行注文が持つ特性の違いを説明しておきます。

指値注文とは自身の注文を板に晒し、市場に対して購買意思を示すものです。
これはマーケットに対して流動性を供給する行為です。
このような注文でマーケットが形成されることから、マーケットメイク注文(単にメイク注文)と呼ばれます。

これに対して成行注文は自身の注文は板には晒されず、既出の板を買い付けることになります。
これはすなわち、マーケットの流動性を奪う行為です。
これはメイク注文に対して、テイク注文と呼ばれます。

流動性を供給する側からすると、流動性を奪う側に何らかのペナルティが存在しないと割りに合いません。
このことは、注文に付随するコストを考えると納得できます。
指値注文ではスプレッドなどによる執行コストが発生せず、成行注文ではそれらのコストが発生します。
つまり指値注文は執行コストが控除されているのに対し、成行注文は執行コストを支払っているのです。

さらに海外の取引所にはメイカー・テイカーモデルという手数料体系が存在します。
上記の執行コストに加え、それぞれの注文に対してリベートと手数料を設定しているのです。
指値注文が約定した場合、取引所は取引者に対してリベートを支払います(メイク・リベート)。
成行注文が約定した場合、取引所は通常の手数料に加えて追加の手数料を徴収します(テイク・フィー)。
メイカー・テイカーモデルでは、指値によって取引市場に流動性を供給するメイカーが優遇されるのです。


ここまでの説明で推測できると思いますが、このメイクリベートがHFTファンドの収益源となっています。
通常の手数料体系ではポジション建てと決済に際して取引コストをペイするために同値撤退は許されません。
しかし取引所の手数料体系によってはメイクリベートにより同値撤退でも微小利益が出る場合があります。
つまり市場の流動性の厚みを生かして高速でポジション建て→同値撤退を繰り返すことで
薄利を積み上げることができるのです(もちろん建て時も決済時も全て指値注文です)。

これがバーチュのようなマーケットメイク型HFTファンドの手法です。
この手法による取引当たりの勝率はおよそ51%~53%であり、
取引所の設定しているリベートと手数料の比率によって勝率が大きく左右されます。
このような取引を1日に数万件繰り返すことで大数の法則の恩恵を受けて
日次での勝率を極めて高く維持することができるのです。
ただし、近年では同様のマーケットメイク型HFTファンドによる競争の激化に伴って市場の効率化が進み、
これらの取引当たりの勝率が低下していると言われています。


しかし単純に注文を入れるだけでこのような同値撤退が何度も繰り返し行えるわけではありません。
市場は基本的には価格優先・時間優先の原則に従っていますので、
ポジション建て後に決済注文を出したのでは、執行価格に存在する注文の一番後列に並ぶことになります。
この間、自身のポジションは常に価格変動リスクに晒されており、
その執行順序が遅くなればなるほどそのリスクは大きくなります。

これを解消する「奥の手」が米国の取引所には存在します。
米国の取引所はその競争の激しさからか、自市場の取引者に対して様々な注文方法を提供しています。
実はその中には、注文の先頭に「割り込む」ことができる注文方法が存在するのです。
代表的なものとして、「ハイド・ノット・スライド注文」があります。
(フラッシュ・ボーイズにも出てきます。この注文方式は価格優先・時間優先の原則に反するものであり、
 2009年の時点で既に問題視されていましたが、現在まで存命しています)
マーケットメイク型HFTファンドは、このような一般投資家が使わない特殊注文を駆使して、
自身の注文が優先的に執行されるようにアルゴリズムを構築しています。


上記のように、マーケットメイク型HFTが成立するにはいくつかの条件があります。
複数市場で気配値が探れること、特殊な割り込み注文ができること、リベートがあることなどが挙げられ、
日本市場はそれらに当てはまりません。
特にリベートの影響が大きく、日本市場におけるHFTのインセンティブは極めて低くなります。
これは、全取引に占めるHFTの割合が、米国は50%程度、日本は15%程度という数値の差に表れています。

それでも15%程度のHFT取引が存在すると思われるかもしれませんが、
日本市場におけるHFTと呼称されている取引とは、上記に述べたような収益を求めるHFTではなく、
単なる実需の高速発注である可能性が高いのです(つまりHFTでなく執行コストを抑えるアルゴリズム取引)。
これは、日本市場におけるHFTによるキャンセル注文の少なさから推測することができます。
(ここで言う実需とはキャピタルゲインを狙う投機的なポジション建てを含みます)

よって日本市場におけるHFTファンドとは、存在していてもたかだか数%程度であり、
しかもバーチュのようなマーケットメイク型HFTファンドは存在せず、
経済指標や決算発表に乗じるイベント型HFTファンドがその割合の殆どを占めるものと考えられます。
ただし、イベント型HFTファンドも単に情報取得から発注までを高速化しているだけであり、
HFTと呼ぶかどうかは微妙なところです。


最後に、マーケットメイク型HFTは市場に流動性を供給しているので「善」と言われることがありますが、
それは完全に間違っています。
そもそもHFTが収益を上げるためには他者による流動性の厚みが必要不可欠です。
もしもHFT自身が市場に流動性を供給しているのだとすると、
HFTは流動性のない市場でも自身で供給した流動性の中で利益を上げられることになり、矛盾が生じます。

HFTの作り出す流動性は見せ掛けだけのものであり、まさしく「ファントム」という表現が的を得ています。
「善」と呼ばれることは決して有り得ません。


2016/6/10

◆本日の損益
 +87,450円

◆本日のトレード
 JXホールディングス +49,500円
 商船三井 ▲25,000円
 他

◆今月の累積損益
 +835,750円