月次成績-2016年10月

10月は全体的に調子が悪くフラットでした。

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2016/10/31

◆本日の損益
 ▲138,750円

◆今月の累積損益
 ▲680,770円

論文紹介(4)

「Applying Deep Learning to Enhance Momentum Trading Strategies in Stocks」
(L.Takeuchi, Y.Y.Lee, 2013/12/12)

少し古くなりますが、ディープラーニングによる株価予測の論文です。

最近は「AIと言えばディープラーニング」といった風潮が強くなってきた気がします。
そもそもディープラーニングは2012年のILSVRC(一般画像認識コンテスト)で
カナダのトロント大学が2位以下に圧倒的な差を付けて優勝したことで注目を集めました。
日本で一般に認知されるようになったのは2015年頃であり、
東京大学の松尾氏の書籍「人工知能は人間を超えるか」が一役買ったような気がします。
表紙がアンドロイドを彷彿させるアニメイラストとなっておりメディアでも取り上げられました。
2016年3月にアルファ碁がイ・セドル九段に勝利したことで、爆発的なブームとなりました。

本論分での予測対象は米国の個別株の月次リターンであり、
1965年~89年を学習期間(インサンプル)、1990年~09年を検証期間(アウトオブサンプル)としています。
ニューラルネットモデルは入力層→中間層3層→出力層の計5層であり、
入力層~3層目が特徴抽出するエンコーダ、4層目~出力層がリターンを分類する識別器となっています。
入力として直近1年の騰落率など、計33の変数を採用しています。

結果としてアウトオブサンプル期間において、
従来の単純なモメンタム戦略の総利益が10.53%であるのに対して、
ディープラーニングを用いたモデルでは総利益が45.93%と飛躍的に向上しています。


しかし、この結果は本当にディープラーニングの効果なのかなぁと考えてしまいます。
33もの変数を使えばディープラーニングに限らずこれくらいの改善効果は出るような気がします。
時折ディープラーニングに過剰な期待を寄せる人を見掛けますが、
そもそもディープラーニングによって根本的な予測力が向上することは決してありえません。
これは画像認識をやっている人は当然のように理解しているものと思いますが、
どういうわけか金融をやっている人には誤解している人が多いような気がします。

AI投資というものは錬金術ではありません。
ディープラーニングに限らず「AIで劇的にパフォーマンスが改善」というフレーズは
投資においてはまず第一に疑って掛かるべきフレーズだと思います。


書評(3)

次はジャンルを変えて専門書を紹介します。

「経済・ファイナンスデータの計量時系列分析」 沖本竜義 2010年

本書はデータ分析を専門とするデータサイエンティストの間で有名な書籍です。
バイブル扱いされている方もいらっしゃいます。

目次を読み上げるような紹介の仕方になりますが、
時系列分析の根幹となる「定常性」から始まり、時系列モデルの基本である「ARMAモデル」、
「予測問題」の考え方、ランダムウォークを示す「単位根過程」、見せ掛けの回帰を見破る「共和分検定」、
状態の変化を記述する「マルコフ転換モデル(レジームスイッチ)」など、重要な内容が網羅されています。

ただし数式など難解な記述が多く、実際のモデルへ適用するには専用の統計解析ツールが必要となるため、
中級者~上級者向けの内容となります。
このような分野に興味を持っていらっしゃる初級の方には、以下の本が良いかもしれません。

「現場ですぐ使える時系列データ分析」 横内大介/青木義充 2014年

初めに紹介した書籍の前半部分を分かりやすく、Rでの分析方法を交えて記述されています。
このような分析手法を使ったところですぐにリターンに結びつくわけではないのですが、
基礎を押さえておくことは非常に重要だと考えます。
思わぬところで役に立つかもしれません。


2016/10/28

◆本日の損益
 ▲247,160円

◆今月の累積損益
 ▲542,020円

2016/10/27

◆本日の損益
 ▲143,840円

◆今月の累積損益
 ▲294,860円

2016/10/26

◆本日の損益
 +228,200円

◆今月の累積損益
 ▲151,020円

書評(2)

最近はAI系の本を読むことが多いのですが、その中から1つを紹介します。

「ビッグ・データで株価を読む」 岡田克彦 2014年

著者の岡田氏は関西学院大学教授であり、マグネマックスというヘッジファンドのCEOを兼任しています。
このファンドですが、2013年頃からちょくちょく新聞やニュースサイトで取り上げられています。
直近では2016年8月19日付けの毎日新聞で「AI革命」という記事になっています。

このファンドはWEBマイニングと呼ばれる手法を用いており、同新聞記事から引用すると、
「過去10年の相場情報などはもちろん、ツイッターやブログまで約100万系列の膨大な情報をAIで解析。
 市場で過小評価され、値上がり可能性が高い株をランク付けして約100銘柄を選び、売買指示を出す。」
とのことです。

さて肝心の内容ですが、
分析データやバランスカーブの記載は好感が持てるのですが、論理的でない記述がいくつか見られ、
手法の検証結果も「ビッグデータってこんなことしかできないのかなぁ」と言いたくなる内容です。
同ファンドは三菱UFJ信託銀行やヤフーとも提携しているため、これだけの内容である筈がありません。
当然ながら「ここまでは本にしてもいいかな」といった情報なのでしょう。

マイニング系の事例の1つとして、興味のある方限定でお勧めします。


2016/10/25

◆本日の損益
 +419,950円

◆今月の累積損益
 ▲379,220円

2016/10/24

◆本日の損益
 ▲20,500円

◆今月の累積損益
 ▲799,170円