月次成績-2016年12月

12月は好調でした。

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2016/12/30

◆本日の損益
 ▲221,700円

◆今月の累積損益
 +3,520,400円

2016/12/29

◆本日の損益
 +237,010円

◆今月の累積損益
 +3,742,100円

2016/12/28

◆本日の損益
 +239,300円

◆今月の累積損益
 +3,505,090円

2016年をシストレ的目線で振り返る

2016年もそろそろ終わりです。
2016年はチャイナショックに始まり、2月の世界同時株安を切り抜け、6月の英EU離脱を乗り切って
最後の最後でトランプ相場で盛り返す、というジェットコースターのような相場でした。
本年最後のコラムとして、2016年がシストレ的な目線でどのような年であったか振り返ってみます。


まずは今年が例年と比較してどうであったかを振り返ります。
以下は日経平均株価の年足です。
2016年は大きな下ヒゲが発生し終値≒高値で胴体部が殆ど無いような形です。
サブプライムローン問題が顕在化した2007年の前年である2006年にそっくりの形と水準であり、
「来年は大丈夫なんだろうか・・・」と一抹の不安がよぎってしまいます。
なお2016年の日経平均の日次リターンの標準偏差は1.72%であり、
ボラティリティで見ると2000年から2016年の17年間で4番目の大きさでした。

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次に年内の値動きに目を移し、TOPIXのリターンを観察していきます。
ここではギャップのリターン(オーバーナイトリターン)と日中のリターン(イントラデイリターン)に
分けて観察します。
まずギャップですが、とりたてて顕著な特徴は見られません。
今年は「ロングオーバーナイトが突出して機能した」などということは無いようです。
次に日中ですが、後半期から緩やかな上昇トレンドが確認できます。
このため、ロングメインの投資家は多少なりとも恩恵を受けることができたのかもしれません。

続いてTOPIXの受けたマクロ的な影響を検証します。
ここでは最も基本的な米株式市場から受けた影響を累積リターンで観察します。
S&P500の前日比を元に翌日のTOPIXを寄り引けで売買したときの累積リターンを示します。
(S&P500前日比がプラス→TOPIXを寄り引けで買い、マイナス→売り)
年初から3月までのわずか三ヶ月で累積リターンはなんと30%に達します。
この期間は日中も前日の米国市場の投資家マインドを引き継いでいたことになります。
チャイナショックからの一連の急落において、日本時間でのマインド反転は難しかったのでしょう。
突っ込み買いにはかなり危険な相場であったと思います。

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最後に個別銘柄の値動きをスタイルファクターの観点から追っていきます。
今回取り上げるスタイルファクターは、サイズ、PBR、モメンタムの3つです。
これらのファクターリターンを以下に示します。

まずサイズファクターですが、若干のうねりはあるものの全体として負のトレンドが確認できます。
これは小型株効果そのものです。長年に渡ってロバストな特性が確認できるファクターの1つです。
次にPBRとモメンタムファクターですが、この両者はバラツキはあるものの同じような形で推移します。
前半期はファクターリターンが正方向へ推移しており、逆に後半期は負方向へ推移しています。
すなわち2016年は「前半期は割高が買われ割安が売られる」、「後半期は割高が売られ割安が買われる」、
といったトレンド相場からリバーサル相場への転換があったことが分かります。
リバーサルメインの投資家は前半期は苦しく、後半期は易しい相場であったと言えます。

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ではこの転換の要因は何だったのでしょうか?

これは7月8日の米雇用統計による投資家マインドの好転に依るものです。
6月の雇用統計(発表日は7月8日)は予想+18万人に対して実績+28.7万人という強烈な上昇であり、
度重なるショックの最中でも米経済が堅調であることが再確認され、利上げ観測が強まりました。
(なおこの前月の雇用統計は予想+16万人に対して実績+3.8万人と悲惨なものでした。)

この日を境に株式だけでなくその他のアセットも転換期を迎えます。
米10年債は同日に今年の最低利回り1.3579%をつけた後に上昇に転じます。
日10年債も同日にマイナス0.282%をつけた後、上昇に転じます。
(日10年債は7月27日に一度だけこのマイナス0.282%を割っています)
ドル円は同日に99.98円の安値を付け、8月と9月にそれぞれこの安値を試した後、
急激な円安トレンドへ転換しています。

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よってシストレ目線(およびマクロ市況目線)での今年最大のイベントは、
チャイナショックでも英EU離脱でもトランプ当選でもなく「米雇用統計」なのでした。
米大統領選時には既に市場の潜在心理は好転しており結果に依らずリスクオンは進んだと考えられます。
このようなトレンドやレジームというものは、後になってから振り返って初めて分かるものであり、
その切り替わりを予測しようとすると痛い目を見ます。

本コラムはこれで終わりです。
2017年は、どうか世界的な金融危機が訪れませんように。


2016/12/27

◆本日の損益
 ▲90,530円

◆今月の累積損益
 +3,265,790円

2016/12/26

◆本日の損益
 +791,050円

◆今月の累積損益
 +3,356,320円

2016/12/22

◆本日の損益
 ▲65,030円

◆今月の累積損益
 +2,565,270円

トランプ相場とレジーム判定

「ヘッジファンドに思わぬ救世主出現-宿敵だったはずが」 -Bloomberg、12月9日

上記はトランプ相場とヘッジファンドのパフォーマンスに関するブルームバーグの記事です。
同記事によると、最近の金融市場ではアセット間の相関が崩れているようです。
記事の中では以下の4つのインデックス相関が低下していることが示されています。

 (1) S&P500とMSCIエマージング指数
 (2) 米10年債利回りとMSCIワールド指数
 (3) Bloombergコモディティ指数とMSCIワールド指数
 (4) S&P500とTOPIX

このためアセット間でロングショート戦略を取っているヘッジファンドは、
相関関係の低下に伴うスプレッドの拡大・縮小によりリターンが改善しているとのことです。
リターンが改善しているのはロングショート系というよりもグローバルマクロ系ではないか?
とも思いますが、実際のところはよく分かりません。
もちろん裏目を引いたファンドもいる筈ですが、全体的にパフォーマンスが好転していることから
統計的・クオンツ的に予測しやすい相場になっているのでは、とも考えられます。

さらに同記事では相関の低下がアセット間だけでなく同一市場内でも起きていることに言及されています。
このように同一ユニバース内の銘柄の相関の大小でレジームを判定する、というのはよくある手法の1つです。


レジーム判定の方法にはいくつかあって、

 (1) マクロ経済市況で判定する
  CPIや国債利回り、TEDスプレッドなどの水準に基づいてレジームを判定します。
  この手法は株式インデックスから長期国債への切り替えなど、
  大雑把なアセットアロケーションに利用されることが多く、論文も多数見掛けます。

 (2) 市場のボラティリティで判定する
  市場インデックスのヒストリカルボラティリティについて、直近の値と過去の値を比較して判定します。
  例えば、直近3ヶ月のボラティリティと過去36ヶ月のボラティリティを比較したりします。
  もしくはVIXなどのボラティリティ指数の水準で直接判定する場合もあります。

 (3) 銘柄の選好状況で判定する
  高ボラ銘柄と低ボラ銘柄のリターンスプレッド、高ベータ銘柄と低ベータ銘柄のリターンスプレッドなど、
  銘柄の選好状況による投資家のリスクアペタイトを元に判定します。
  もしくは今回のトランプ相場での事例のように、ユニバース内での銘柄相関を観察して
  不特定の銘柄の挙動の変化を検出する方法もあります。

これらのレジームに応じて、アウトパフォームする銘柄が異なります。
例えばモメンタム効果は低ボラ時に機能し高ボラ時に予測力を失う、と一般的に言われています。

また、上記のようなファンダメンタル的、テクニカル的な判定手法を用いなくとも、
与えられたデータに対して直接統計的に有意なポイントで切り替えるという手法も存在します。
これはマルコフ転換モデルという手法です(レジームスイッチモデルとも呼ばれます)。
ただし、この手法はデータドリブンな手法であるため、
統計的に算出されたレジームの概念が抽象的で理解しづらいというデメリットがあります。


ここからは個人的な見解ですが、レジーム判定を使いこなすことは非常に難しいと考えています。
良いレジームを探すということは都合良くデータを選別することと殆ど同義であり、
経験上、カーブフィッティングに陥る危険性がとてつもなく高くなってしまいます。
(ただ単に自らのスキルが低いだけかもしれませんが)

レジームを切り替えて状況に応じた収益向上を目指すよりも、
戦略を分散させて如何様なレジームにも対応するほうがパフォーマンスは安定するような気がします。

2016/12/21

◆本日の損益
 ▲155,220円

◆今月の累積損益
 +2,630,300円